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お見合い ①

Penulis: 紅城真琴
last update Terakhir Diperbarui: 2025-05-14 18:43:41

7月のある日、私はホテルのロビーにいた。

普段は着ないようなワンピースを着てハイヒールなんて履いて、馬子にも衣装というか、おかげで私も少しは大人の女性っぽく見えるかな。

今日は、おばさんに押し切られたお見合いの日。

何度か断るチャンスはあったけれど、結局今日を迎えてしまった。

「お待たせしました」

約束の時間よりかなり早く来てしまった私は、オレンジジュースを注文していた。

かわいらしい曲線のグラスに黄色の液体が入り、カランカランと氷が音を立てる。

一口、二口と喉を通しながら、私はなんでここに来てしまったんだろうと後悔に浸った。

5分ほどして、スーツ姿の男性が声をかけた。

「失礼ですが、竹浦樹里亜さんですか?」

「は、はい。そうです」

「僕、山口海人(ヤマグチ カイト)です」

さわやかに笑い、男性は向かいの席に腰かける。

「始めまして」

私もペコリと頭を下げたのだが、山口さんはじーっと私を見ていた。

「何か?」

「いえ、伺っていた通り奇麗な方だなあと思って」

流石に真顔で言われると恥ずかしい。

「ありがとうございます。たとえお世辞でも、うれしいです」

ただ、ありがとうございますと言えばいいものを、ここで余計な一言を言ってしまうのが私の悪いところだ。

しかし、山口さんは愉快そうに笑っていた。

その後、私たちは簡単な自己紹介をした。

山口海人さんは28歳の高校教師で、理科を教えているらしい。

いかにも優しそうで、穏やかな印象だ。

2人兄弟の次男で、今も実家暮らしらしい。

「樹里亜さんは一人暮らしですか?」

「はい。職場から駅二つ離れたマンションに暮らしています」

「へー、さすが」

大体この後、「お医者さんはお金持ちなんですね」と続く。

どこの飲み会に行っても、必ず言われる言葉だ

「理解のあるご両親ですね」

「はあ?」

思わず聞き返してしまった。

「こんなに近くに住んでいて、そ

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